2014年 03月 29日
井上武吉(いのうえぶきち) ◆作者の言葉 30周年によせて── 現在多くの彫刻が自然や環境との関わりを問題視し、あるいは都市計画に関わるなど内容や規模を拡大しています。それは30年前の宇部市野外彫刻展を紀元に、またその影響を受けた彫刻の森など、長年にわたる活動に支えられてきたからです。そして「環境芸術」という概念が定着したのも、野外彫刻展の大きな功績があったからでしょう。 空間を掘る、あるいは刻む、という空間づくりが僕にとっての彫刻です。自然を、人間の寸法に合わせて置き換える作業により、触覚的な空間や精神に作用する空間を掘ろうとしています。このような彫刻をとらえるようになったのも、野外彫刻展によって機会を得たからだと考えています。(1993年当時) ◆解説(田中幸人) 背景の風景を、連結した四角のアルミ枠で区切りながら空間が動いていく一種のインスタレーション的な作品だ。現代日本美術展や日本国際美術展、さらには第7回サンパウロ・ビエンナーレ(1963年)などで活躍していた作家は、このころから空間環境としての新しい美術館の在り方構想、設計をはじめている。箱根彫刻の森美術館の設計は同じ年の設計で、その後、同森に「my sky hole」(1979年)、池田20世紀美術館(1975年)、「伊丹市平和モニュメント」(1991年)などを設計している。
by ubeon
| 2014-03-29 22:19
| 宇部の彫刻
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